新卒採用のゲンバ(人と仕事研究所/コラム)2016新卒採用活動の7つの傾向

2015.10.07


 

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弊社「アイデム 人と仕事研究所」のホームページでは、月1回、「新卒採用のゲンバ」と題し特集記事を掲載しております。
新卒採用をテーマに市場動向や学生の意識、企業の取り組みなどについて解説します。

第21回目となる今回の特集は、企業の採用活動について科学的観点からアプローチする新しい学問『採用学』の第一人者である、横浜国立大学大学院の准教授、服部泰宏さんにご執筆いただきます。

――その内容の一部をご紹介させていただきます。
新卒採用を考える上でのヒントになれば幸いです。

 

第21回 2016新卒採用活動の7つの傾向

経団連加盟企業が、2016年卒の大学生・大学院生を対象に面接(面談ではなく)などの選考を始める(正確に言えば始めることになっている)8月がやってきました。

「8月1日に第1次面接から最終面接まで、一気に受けさせられた」「昨日までは『面談』という言葉を使っていたけれど、8月に入った途端に『面接』という言葉が使われだした」などなど、私のところには、ゼミ生たちから毎日のように報告があり、研究者としても、教師としても、なんだか落ちつかない毎日を過ごしています。

昨年の秋ごろに、2016年卒採用においては、①これまでと同じような活動内容を、これまでとは違ったタイミング、これまでとは違った予算・リソース配分で行うことになる(つまり、採用活動のマイナーな修正を行う)企業群と、②これまでとは全く異なり、新しい採用に取り組む(つまり、採用活動のイノベーションを起こす)企業群が発生するが、③全体の割合で言えば、大企業を中心に、①の企業が圧倒的多数になるはずである、しかも、④上記の②の企業の中にも、採用活動をメジャーな修正を行ったように見えて、実はそうでもない、いわば「擬似イノベーション」や「他社の単純な模倣」がまぎれているだろう、というような予測を行いました。

 
もちろん、全て予想どおりになったわけではないのですが、おおよそ、上記のような具合になったのかなと思います。2016年採用で何が起こったのかという最終的な総括は、まだこの時点ではできませんが、現在、私そして服部研究室が関心を持っているのが「結局、どれほどの新しい採用が登場したのか」、そして「それはなにをもたらしたか」ということです。いままさに、大学院生たちと取り組んでいる課題なのですが、現時点で分かっているだけでも、おおよそ、7つくらいの傾向が見て取れるかと思います。

①NOT○○
「面接をやめた!」「エントリーシートを廃止!」というように、既存のあり方の否定によって、あるいはそれとの差異を強調することで、新しさを打ち出す企業群。

②入り口の多様化
「ES→適性試験→面接」というパターン化されたフローではなく、複数の入り口、複数のフローを設定する企業群。多くの場合、そうした複数の入り口一つ一つが、企業がほしい人材像なり能力要件に対応していて、結果として、多様な人材を取り込めるような仕組みになっている。

③採用要件の明示
「こういう人に来てほしい」あるいは「こういう人はいらない」ということを、会社側が明確に示す、あるいは、なんらかの方法で、エントリーの敷居を高くすることで、エントリーする求職者の人数を抑制する企業群。集まってくる母集団の質の高さ、密度の高さを意図したもの。

④採用フローの「エンターテインメント化」
求職者にとって就職とは、「つらくて険しい道のり」なのだけれど、その就職を、少しでも楽しくて、ワクワクするものにしようという企業群。採用フロー全体にエンターテインメントの要素を取り入れることにより、求職者を引きつけ、フローからの脱落のリスクを減らす目的があると思われる。

 

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●文/服部泰宏(はっとり やすひろ)
1980年神奈川県生まれ。横浜国立大学大学院国際社会科学研究院・同大学経営学部准教授。2009年神戸大学大学院経営学研究科マネジメント・システム専攻博士課程を修了し、博士号(経営学)取得。滋賀大学経済学部専任講師、同准教授を経て、2013年4月から現職。著書に『日本企業の心理的契約 増補改訂版:組織と従業員の見えざる約束』(白桃書房)などがある。

アイデム 人と仕事研究所「新卒採用のゲンバ」
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