人材育成のツボ  人材育成の目的はココにある!「新卒採用の目的と意義」(人と仕事研究所/コラム)

2014.07.04


 

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弊社「アイデム 人と仕事研究所」のホームページでは、日々の業務やお客さまとの対話から感じたことなど、人と仕事研究所の研修部門の所員がつづったものを定期的に掲載しています。
今回は『人材育成の目的はココにある!「新卒採用の目的と意義」』から、ご紹介させていただきます。

――人材活用を考える上でのヒントになれば幸いです。

 

5月16日に厚生労働省から発表された平成26年3月に大学等を卒業した学生の就職状況調査によれば、大学卒業者の就職率は94.4%に達し、昨年より0.5%上昇しています。景気回復基調の中、大手企業を中心とした採用人数の増加やリ-マンショック以後新卒採用を控えてきた企業の採用再開などが進んでいることがその要因として挙げられます。

私の身近なところでは、これまで中途社員の採用で対応してきた中小企業の新卒採用の動きも活発になってきているように感じています。
「おかげさまで、うちの会社も新卒を採れるところまできました」と経営トップの方からお聞きすることがあります。事業も軌道にのり、人を育てる体制などができつつあることを、仰りたいのではないかと推測します。それだけ新卒採用は特別の意味をもっていると考えられます。

では、具体的には新卒者を採用する目的・理由はどこにあるのでしょうか?
今、企業は新卒採用者の育成に悩んでいます。そこで、今回は採用・育成の根幹部分である新卒を採用する「目的・意義は何か」「メリットはどこにあるのか」についてまとめてみました。

 

●新卒採用の目的・意義

1)企業永年繁栄の意思表示
定年まで勤めれば少なくとも40年以上働いてもらう人にきてもらうわけです。その人たちは、次世代の会社を担う人たちです。このことは何を意味するのでしょうか。市場に対しての「企業永年繁栄」の明確な意思表示に他ならないと考えます。

2)新しい発想を取り入れ、お客様と一緒に成長
お取引先も新卒者を採用し、新しい発想を取り入れ成長しています。自社においてもお客様に遅れることなく、若返りを図り、新しい時代に対応していく必要があるのではないでしょうか。お取引先と一緒に成長していきたいものです。

3)平均年齢の適正化を図り、継続した企業力の発揮
今、日本は少子高齢化により逆ピラミッド型の不安定な人口構造になっています。事業継続を考えたときに、企業においてもこの形だけはさけたいものです。

貴社の年齢構造はどのようになっていますか?
若い力を採用し安定的な年齢構造をつくることで、継続した企業力の発揮が可能になります。

 

●新卒採用のメリット

1)会社に対する「愛着」「忠誠心」の浸透
最近よく「近頃の若手社員は帰属意識がなくなった」とのお声を耳にします。企業への「愛着」「忠誠心」を浸透させるには、初めて社会にでた若者をしっかりと指導・育成することが一番の近道です。但し、会社の常識が社会の非常識にならないように正しい倫理観のもと、指導・育成することが重要です。

2)採用活動を通して、新たな社会(大学等)との接点が生まれる
新卒採用を行わなければ接点がなかった大学等学校との関係づくりができることもメリットです。これまでに耳に入ってくることはなかった自社に対する評判・評価も含まれます。それだけ新卒採用は社会的意義においても社会が注目していることと言えます。

3)まとまった人数の確保が可能
一度に同じ属性の人を多数採用(確保)する手段としては新卒採用をおいてありません。導入研修を一斉に進めることができるのも新卒採用ならではのメリットです。2016年卒以降就活の時期が後ろ倒しになりますが、内定時期は現在と同じです。

4)企業が抱えている問題解決の機会とする
大卒入社の3割が3年で離職しています。その要因は様々ではありますが、立場の弱い人に企業の抱える問題の悪影響が及んでいることは否定できません。新入社員の入社を問題解決の機会と捉え、企業に内省力があるところを示したいものです。

5)指導者が成長
新人指導ほど上司・先輩社員の力量が試される場面はないと思います。指導される新入社員も何年後には指導する側です。次期指導者を育てることを目的におけば、伝えるべきこと、指導すべきことなどが見えてくるのではないでしょうか。指導者は積極的に自己開示を行い、心豊かな次期指導者の育成を行っていただきたいと思います。「愛着」「忠誠心」が芽生えるきっかけはこんなところにあるのではないでしょうか。

 
まとめ

若者は社会の財産だと思います。次世代を担う若者を育てることは社会的に大きな意義があります。言い換えれば、企業が社会的責任を果たす義務を負っているとも言えます。

その昔、取引先同士がビジネスを通し、お互いの新人を時にはやさしく、時には厳しい目で育てていたように思います。そのことが企業間の信頼にも繋がっていました。「情けは人のためならず」と申しますが、そのことは巡り巡って企業経営にも跳ね返ってくるのではないでしょうか。

新人育成に悩んだなら、「新卒採用の目的・意義」に立ち返っては如何でしょうか。それだけに「新卒採用の目的・意義」は重要です。企業一丸となって、「ゆとり世代の若者」を一人前に育てようではありませんか。

 

●文/小野山哲朗(おのやま てつろう)
アイデム人と仕事研究所 人材育成・研修チーフプランナ-/社会保険労務士、キャリアカウンセラ-(CDA)
大手外食産業でのマネジメント。インテリア・寝装品メ-カ-での営業を経て、現在は株式会社アイデム人と仕事研究所で企業における社員教育・人材育成、新卒・転職者の就職支援などに携わる。弊社主催のビジネスセミナ-、各地の公共機関・大学・専門学校での就職セミナ-の講師を務める。課題解決のために、問題の本質をしっかりとみることを重要視している。

 
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