人事戦略としての高年齢者活用/(人と仕事研究所/コラム)

2013.10.04


 

第6回「人事戦略としての高年齢者活用」/(人と仕事研究所/コラム)

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弊社「アイデム 人と仕事研究所」のホームページでは、人材の戦力化や自社の活性化などに役立てていただくために、企業の事例取材記事や専門家によるコラム、アンケートデータなどを掲載しています。
今回は第6回、『人事戦略としての高年齢者活用/金山驍氏』から、その内容の一部をご紹介させていただきます。

――人材活用を考える上でのヒントになれば幸いです。

 

 

これからの人材活用
第6回「人事戦略としての高年齢者活用」/金山驍氏

 

1.今、なぜ高年齢者の活用なのか?

本年度の高齢社会白書によると、日本の総人口における65歳以上の高齢者の割合は、24.1%である。国連が「高齢社会」とする14%をはるかに超え、超高齢社会へと進んでいる。平均寿命は現在、男性79.44歳、女性85.90歳であり、2060年には2.5人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上と推定されている。人口ピラミッドは、現在の「壺型」から10年後には、高齢層が支える「花瓶型」になると予測される。

歴史の前例が示すとおり、厚生年金の支給開始年齢は上がり続けている。厚生年金の支給開始年齢は、制度発足時(1944年)は55歳であったが、60歳、65歳(経過中)と、徐々に引き上げられてきている。さらなる年金の支給開始年齢の引き上げも、社会保障費の歳出削減という観点から、可能性は決して低くはない。

また、今回(2013年4月1日施行)の高年齢者雇用安定法改正では、企業は、原則希望者全員を65歳まで雇用しなければならなくなった(経過措置あり)。
超高齢社会の到来および少子化に伴う現役世代の働き手の減少および年金受給開始まで働かなければならない状況を踏まえると、高年齢者の活用を検討する段階に差しかかっているのである。

日本は、多くの中小企業が支えている。高年齢者雇用に伴う企業負担が増えることは言うまでもないが、中小企業ごとの高年齢者の活用のノウハウの蓄積は急務である。特に中小企業においては、1人辞めないと1人は入れないという、「ところてん」のような側面もある。

そのような中で高年齢者を活用しつつ、会社の活性化を図っていくには、実務として、具体的にどのように進めていくのが良いのか、検証していく。

 

 
2.高年齢者雇用の運用ポイント

高年齢者を雇用していく上で、重要なポイントは大別すると2つある。

第1に、賃金・処遇等の仕組みづくりやモチベーション管理(配慮)が重要である。高年齢者を再雇用する場合、多くの会社は、従来の賃金額より下げて提示している。さまざまな統計データでは、およそ6割前後といわれている。

実務の現場では、「私(社長)が赤ん坊のころから勤めてくれているので、40年間会社に貢献してくれている。どう条件を伝えたらいいか…」という相談をお受けする。
今までは、賃金・在職老齢年金・高年齢雇用継続給付を利用して手取りを最大化させることができたが、法改正による年金の受給開始年齢引き上げに伴い、この方法も段階的になり、いずれは使えなくなる。本人からしてみれば、大幅にがくっと賃金低下の実感がある。

納得のいく説明をするためには、責任・役割・実績等に応じた賃金体系(60歳以降~)の導入とデータに基づいた真摯な説明が必要である。「この役割なので、この賃金額」「労働時間が減少した分この賃金額」といった説明責任が企業側には少なからずある。

 

金山驍●社会保険労務士、MBA(経営学修士)。社労士事務所勤務を経て、2007年、金山経営労務事務所を開業。現在、東京都新宿区西新宿にて事務所を運営。経営の視点から人事制度を構築する「経営支援型人事制度」の導入を推進している。新聞、専門誌などへの寄稿多数。

 
アイデム 人と仕事研究所「これからの人材活用」
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