いま、職場のリーダーに求められること! ~コミュニケーションと信頼関係~

2013.06.07


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「部下の能力を引き出すためには褒めることも、時には叱責することもしなくてはなりません。
そういう姿を周囲の人たちが評価する中で、
その人のリーダーシップが確立されていくのではないでしょうか。
リーダーシップは自ら学んで掴み取っていくものです」

 

元東レ取締役経営企画室長で現東レ経営研究所特別顧問、
佐々木常夫(ささきつねお)さんのプレミアムセミナーが、
弊社「アイデム 人と仕事研究所」の主催で5月23日(木)にアイデム本社ビル3Fにて開催されました。

通常このようなビジネス要素の強いセミナーは超敏腕経営者やカリスマ○○という経歴の方といった想像をされることが多いかと思われますが、佐々木さんはそういった講演に出られる方とは少し変わった経歴の持ち主です。
佐々木さんが一躍有名になるきっかけになったのは、2006年に出版された著書「ビッグツリー」。
自閉症という障害を持った長男が生まれ、続く妻のB型肝炎とうつ病発症による幾多の入退院の繰り返しに3度の自殺未遂。凄絶な状況にあって絶望に飲み込まれることなく、家庭を守りつつも仕事面での大出世を成し遂げた男の奮闘記。
そんな仕事と家庭を両立させる奮闘ぶりに、仕事と生活の調和としてのワークライフバランスが注目される時代にあって、佐々木さんはいまや講演や執筆依頼で引っ張りだこの超有名人です。

ワークライフバランスとは自分の生活を充実させるということではありません、と佐々木さん。

つまり個々人のプライベートの充実という意味ではなく、会社も個人もともに成長する経営戦略のことで、
仕事の改革があってはじめて実現できる仕事術ということです。
会社も個人もともに成長する経営戦略 ――そのためにはまず仕事の時間の短縮が必須。
仕事も家庭もあきらめず、佐々木さんが孤軍奮闘を乗り切るためにはタイムマネジメントを
徹底的に追及せざるをえませんでした。

 

――タイムマネジメントとは時間の管理ではなく仕事の管理です、と佐々木さんは続ける。

「もっとも大事なことは何か、を正しく掴むこと。会社の仕事はピンからキリまである、雑用がたくさんある。
それを拙速に済ませ、肝心要の仕事に時間をかける」
タイムマネジメントを徹底させることで、規定時間内で業務を終わらせることを可能にした佐々木さんは、部下全員に18時には退社することを前提に仕事をするように指示した。

同時に、矛盾することを言うようだが若いときは死ぬほど働け、とも言う。
「若いときに死ぬほど働かないとプロフェッショナルになれないからです。
若い時分にワークライフバランスなんて言うのは10年早い。
20代30代というのは成長角度が高いのだから、とにかく働きなさい。私が言いたいのはとにかく早く帰れということではなく、単に無駄な残業、無駄な長時間労働をやめろということですから……」

優先度を明確にして戦略的な計画立案をたてておけば仕事は半減できる、という主張をもつ佐々木さんだが、
タイムマネジメントの軸として、

1.計画的、2.効率、3.結果

をあげ、詳細を語るうえで、仕事の進め方とコミュニケーション能力の重要性を説く。

その計画立案には徹底したものがあり、部下が過去一年間にどんな仕事にどれだけの時間、どれだけの日数をかけてこなしたかを知るために、統計を提出させ分析するのだそうだ。
それから抱えている仕事の重要度ランキングをつけさせる。
その結果見えたものは ――部下の重要度ランキングと上司にとっての重要度が違ってくる、ということ。
だから上司が部下に指示することは、
「この仕事はしなくて良い」
「このランクの仕事にこれだけの時間をかけるんじゃない!」
「このランクの仕事をどうしてこんな短い時間で終わらせてしまうんだ!」
と要するに、重要度の高い仕事にはそれ相応の時間をかけ、拙速に済ませなければならない仕事はすばやく、と修正をすること。
「管理職の仕事はそこを構成する人間の輪、全体の輪を最大限にするというミッションを持っています。会社の仕事は不平等だ。不適切配分になっているものだ。それを適正な配分にしてあげないといけない。重要な仕事は必ず中間段階でチェックをする。仕事が終わったら必ず評価してあげる」

そして佐々木さんは次のように続けた。
「部下もまた、上司に期待するばかりではなく部下力をつけなさい。部下が上司をつかって上手に自分の仕事の結果を出すこと。上司の注文を聞くこと。上司の意見を聞くこと」
仕事の効率をあげて時間を短縮した結果、残った時間で何をするか?

「上司の世間話を聞くんだよ……」

仕事に対して徹底的に効率を求める佐々木さんの口から、そのような言葉が出ることに驚きを隠せませんでした。
どんな悩みを持ち、どんな背景で仕事に臨んでいるのか。
「もちろん上司にしても何かしらの事情を抱えた一人の人間です。だから仕事を早く終わらせて、その分たくさん話をする。ゴルフの話、奥さんの話、息子さんが大学受験だったら、息子さんどうでした? と聞く。 もちろん受かったことを事前に確かめてから聞くんですよ? 」

佐々木さんは笑って言いました――それによって信頼関係が生まれるんだ、と。