【早期離職防止】社会人が経験した「パワハラ」 もっとも多いのは……

2017.07.20


今回は新卒採用とは少し離れ、「職場のパワーハラスメント(以下パワハラ)」についてお伝えします。

新卒採用活動も後半戦に差しかかるこの時期、企業によっては新入社員が研修を終え配属され始めているかと思います。

人事担当者様としては新入社員が現場に馴染めているか、配属先で人間関係などのトラブルが起こっていないかは気になるところでは?職場でのトラブルの理由は様々ですが、今回はパワハラに関する社会人アンケート調査を紹介し、パワハラについて考えられる原因を整理していくことで入社後の早期離職を防止していきましょう。

 

パワハラの定義

厚生労働省より発表された「パワーハラスメント対策導入マニュアル~予防から事後対応までサポートガイド~」によると、パワハラの定義は下記の通りです。

「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます」(本文抜粋)

■行為類型
1.身体的な攻撃    暴行・障害
2.精神的な攻撃    脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
3.人間関係からの切り離し 隔離・仲間外し・無視
4.過大な要求        業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
5.過小な要求        業務上合理性がなく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる、仕事を与えない
6.個の侵害           私的なことに過度に立ち入る

パワハラ=暴力行為や精神攻撃などは思い浮かぶ方も多いと思いますが、「4.過大な要求」「5.過小な要求」もパワハラに含まれると知っている方は少ないかもしれません。職場環境の悪化も含み、パワハラが横行していないかチェックする必要があります。

 

パワハラで問題になったことや、それを見聞きしたことはある社会人は32%

パワハラの横行が問題視される昨今ですが、実際にパワハラに遭ったり見聞きしたりする可能性はどのくらいあるのでしょうか。もちろん職場や、そのときの人間関係によるところも大きいと思われますが、JOBRASS編集部では、転職経験のある社会人150名に、パワハラを受けた経験や見聞きしたことがあるかどうかアンケート。あるという人には、どのようなパワハラだったのか、内容やその後の対処についても教えてもらいました。

【パワハラで問題になったことや、それを見聞きしたことはありますか?】
・ある 32.0%
・ない 68.0%

「ある」と答えた人は32%。約3人に1人の割合です。では、どのようなパワハラだったのでしょうか。

 

もっとも多いのは「罵倒」「晒し上げ」

 

■罵倒
もっとも多かったのは、「罵倒」「暴言」など、言葉の暴力。ネチネチとささいなことで長く説教する、といったものもありました。

・こっちの要望も聞かずに毎回まるめこまれる(女性/その他/27歳)
・ただただ罵倒、人格否定される(女性/その他/28歳)
・ノルマ未達成の部署長に対する罵倒は日常茶飯事だった(男性/コンピュータ関連以外の技術職/41歳)
・軽度なミスなのに叱責される(女性/金融関係/36歳)
・指導といいながら、個人攻撃をくりかえす(男性/その他/43歳)

 

 ■晒し上げ、吊し上げ
暴言をはかれる場が「人前」だったという声も多くみられました。

・間違いを言いふらされた(男性/その他/36歳)
・強烈に部下を怒っていること!叱りではない時(男性/営業・販売/28歳)
・権威を傘にきて、毎日隣の部署に聞こえるように大声で威嚇するような説教をされた(男性/その他/43歳)
・残業・休日出勤の強要。全社員の前での吊し上げ(男性/公務員/41歳)
・人前で怒鳴りちらす(女性/金融関係/43歳)

 

■あらぬ疑い
言いがかり、あらぬ疑いで結果的に退職に追い込まれたという人も。

・私自身が、賄賂をもらっているとして言いがかりをつけられ、辞めさせられた(男性/その他/48歳)
・あらぬ疑いをかけられたり、暴力を振るわれたりした(女性/出版・マスコミ関係/43歳)

 

■無視
暴言がある一方で、「無視」というパワハラもあります。

・特定の人物に対して、無視や罵声あり(男性/コンピュータ関連以外の技術職/40歳)
・仕事に必要な情報をわざと伝えない等(男性/その他/49歳)

 

■転勤
「転勤」のなかにも、上司に意見したらいきなり転勤が決まるなど、「これはパワハラでは……?」と思い当たるケースがあるようです。

・わざと遠方に転勤させた。(男性/総務・人事・事務/41歳)
・希望勤務地から遠く離れてたところに転勤させる(男性/その他/33歳)
・上司に逆らって、飛ばされた(男性/その他/31歳)

 

■仕事量
明らかにキャパシティオーバーなのに、大量の仕事を押し付けられたことがある人も少なくありません。

・仕事量が多すぎる(女性/その他/41歳)
・必要以上に仕事を押し付ける(男性/その他/48歳)

パワハラを受け続け、その会社を退職したというKさん(女性/コンピュータ関係/37歳)は、パワハラの結果、耳鳴りがするようになったことを明かします。

「出社前には心臓もどきどきするようになって、病院に行きました。いくらお金が大切といっても、体には変えられません。メンタルだって壊したら回復は難しいものです。人事部に、受けたパワハラを報告してからその会社は辞めました。今はのんびり転職活動中。『あれ、おかしいな』と思うことがあったら、まずは周囲に相談することも大切です」(Kさん)

 

パワハラに気付いたら早期対応が必須

パワハラに限らず、職場でのハラスメントに関しては早期発見・早期対応が大原則です。先延ばしにしてしまうと、当事者の精神的なダメージが増してしまい離職のリスクを高めてしまうかもしれません。対応策として、面談の実施や必要があれば産業医との相談も必要となるでしょう。

特に新入社員に関しては、パワハラとまではいかなくても環境に馴染めず滅入りやすい時期でもあります。せっかく採用して入社してくれた新入社員が早期離職にならないよう、注意深く見守ることも重要です。